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たましふる大峯~神崎士郎 なっしょのないしょ~

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一年の半分を奈良の世界遺産大峯山頂宿坊で暮らす写真家神崎士郎が綴る日々のあれこれ。見たこと見ないこと……。

カテゴリ:写真帖( 2 )

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ぱたぱたぱた
スリガラスが夜の色に染まると
ぱたぱたぱた
窓をたたく夏の訪問者 オオミズアオ
ぱたぱたぱた
光に集まる小虫たちはスパンコール
ぱたぱたぱた
あさぎ色マントはためかせ 眠りの粉をそっと撒く
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〔オオミズアオ)
山繭を産する蛾。満月の夜に羽化するという。
和名は月天女。
夏の朝、宿坊の玄関を開けると羽だけがバタフライの形のまま地面に落ちていることがよくある。
胴体はどこにも見当たらない。誰かの朝食にでもなったのかな?
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by tamashifull | 2011-08-19 18:07 | 写真帖
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五月、岩陰に残る根雪はなかなか溶けない。
春から冬へ、山へ上ったばかりのぼくたちはまるで季節を逆戻りしたみたいだ。

六月、雨の匂いが濃くなって岩屋の雪もいつの間にか消え、 しっとりした土間の上、うっかり足を滑らせて、見ると足元でノソリ。 ゴトだ。 慌てて逃げるわけでもない。 冬眠から目覚めて空腹を満たしに出て来たのか。
しゃがんで覗き込んでみる。
物哀しくも浪漫な眼の色…前世は行者だったのか?お前。 そして再び山に帰って来たのか。 おそるおそる手を伸ばすと意外とツルツルしているんだ、これが。 からだの中をきれいな水が流れているんだろ、きっと。
土間で狩りをする時は、踏まれないように気を付けてな。

七月、宿坊の周りが花々の彩りで染め上げられてゆく頃、ゴトの大好物が宵闇に乗じて翔んでくる。 そう、オオミズアオだ。 でも朝なんか眼の前で鳥にパクッとさらわれてしまうこともある。 それでものそのそ…ゴトは行く。
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八月、したたる緑の中でうーんと背伸びするは、まだまだ小ゴト。
生まれたからには、いっそ大ゴトになって欲しいぞ。
〔ゴト〕
紀伊半島で広く使われる方言でカエルのこと。
山上で多く生息するヒキガエルはゴトビキと言う。
その名を冠した巨岩が和歌山県新宮の神倉山に街を見下ろすようにそそり立っている。
これは古くから「南の守護石とされている。
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by tamashifull | 2011-08-19 17:55 | 写真帖